兵庫県での大学生活って、どう?

  • 岡部さん

    受験で神戸に向かうとき、山の手から海まで建物が広がり続ける坂の町・神戸の独特な風景を電車から眺めて「ここに住み、学びたい」と強く思ったことを今でもよく覚えています。坂の上の閑静な場所にある神戸大学へは、海側の庶民的な街にある下宿から20~30分歩いて通っています。写真が昔から趣味で、休みの日は一眼レフカメラをぶら下げてあちこちへ。最近は夕日を撮るのに熱中していて、垂水や舞子の公園の辺りへよく行きます。

  • 小山さん

    開校2年目で、現在の学生数は168人。私たち2期生は36都道府県から。標準語が飛び交ってますね。小3からミュージカルをやっていて、人前に立つことが好き。高校は演劇部。大学に入ってから、ハッピーエンドで終わる楽しい演劇とは違う、見ている人に納得させないまま終わる形の演劇を初めて見て、視野がさらに広がったと思います。学内公演もたくさんありますが、私が関わるのもそういうのが増えてきて、奥が深いなって思います。

  • 武部さん

    趣味はピアノで、中学ではバレー部のキャプテン、高校では生徒会長。何でも積極的にやってみるタイプなので、大学でも忙しくしています。関学は専門以外のことでも自由に学べる独自のシステムがあるところがすごく魅力的。大学の魅力をイベントなどで発信する学生団体にも所属していて、夏のオープンキャンパスは仲間と一緒に企画から運営まで主体となってやり遂げました。三田のプレミアムアウトレットでアルバイトもしています。

  • 谷口さん

    県立大は県内各地にキャンパスがあります。僕が学んでいるのは工学に特化した広大な姫路工学キャンパス。姫路には中小企業が多く、山陽特殊製鋼のような大企業は細かい作業を下請けの会社に頼んでいます。僕のコースは4年生になったら研究室に入ります。中小企業さんと一緒に研究している研究室もあります。込み入った、精度の高い細かい部分を研究できると思うので、姫路で学ばせてもらってるのはすごい経験になると今から期待してます。

兵庫県のマナビから感じること 兵庫県のマナビから感じること

  • 「山と海があって、里山がある。持続可能性とはナニか」 「山と海があって、里山がある。持続可能性とはナニか」

    中庭でオンライン授業を受ける

    学内で学部横断授業、国際交流もマナブ

    神戸大学は総合大学で他学部の授業も一部取れ、文学部以外の学問に触れられます。僕も神戸大学ESDコースという学部横断型のESD・SDGsに関わることを学ぶカリキュラムを1年次から受講しています。留学生も結構多く、僕はベルギー出身のオックスフォード大学からの留学生の学生チューターとして、日常生活におけるサポートや日本での研究の補助をしています。

    他大学の学生たちとフィールドワークに参加

    インカレ型コミュニティ
    「ひょうご大学生観光局」に参加

    大学での授業とは別に、僕は1年生の6月から「ひょうご大学生観光局(YOUNG DMO HYOGO)」https://www.youngdmo.com/に所属しています。次世代の観光マーケティング術を中心に、SDGs思考や地方創生も学べる、2020年に設立されたインカレ型コミュニティで、SNS広告で募集を見つけて面白そうだと思って応募しました。
    YDHの活動で印象に残っている一つは、今年9月に行った丹波篠山市での1泊2日のフィールドワークです。僕は三重県の田舎出身で、里山は近くにあったのですが、今回初めて里山のことを詳しく学び、サステナビリティを考えるヒントが里山にあることを知りました。

    海を眺める神戸暮らしで身についた感覚

    里山はまず、食料の生産地として重要です。日本は食糧の多くを海外に頼っているので、やはり国内生産を増やすことを考えなくては。あとは山から川を通じて海につながる。その中に里山があるということを、兵庫に来て改めて感じました。実家の近くには海がないので、山林の伐採がなぜ重要なのかなど、里山と川や海とのつながりを考えることなく育ってきましたが、毎日海を眺める神戸暮らしで自然にそんな感覚が身についたのかもしれません。
    泊まりがけのフィールドワークでは夕食後に、大学の垣根も文理の専攻も超えたさまざまな学生たちと振り返りを行い、気づきを共有したり、互いの案を出し合ったり、時間を忘れて熱く議論しました。YDHの活動はとても面白いので、来年度も参加していくつもりでいます。

  • 「芸術文化での地域活性化を、豊岡演劇祭で実感しました」 「芸術文化での地域活性化を、豊岡演劇祭で実感しました」

    「学外に向けたプロジェクトに関わったときは、来てくださる方を
    喜ばせることを第一に考える」という小山さん(右)

    平田オリザ学長の授業も受けられる!

    学長の平田オリザさんが「芸術文化で地域を活性化させよう」と言われていて、オリザさんの授業もあります。私の解釈ですが「普通の人にあまり親しまれているとはいえない芸術文化が、観光への利用で親しみを広げられる。一方で、芸術文化が普及していくことで、もっと地域も元気にできるよね」ということを教えてくださっているのだと思います。
    豊岡演劇祭で、それを私は一番経験しました。

    幼児も夢中になって見ていた夜の野外劇

    小さい子たちは演劇は見ないものと思っていましたが、豊岡演劇祭で夜9時から始まる野外劇の一番前の列が小学生にもならない子たちばっかりだったんです。それを見て最初は「あー、豊岡演劇祭は地域に無理やり入っていったな」って思ったんですよ。
    バイト先で、豊岡に演劇の大学を作ったことを快く思わない声も聞いたりしていたので。でも、最前列の子どもたちが「よたかの星」の舞台劇を本当に集中して見ていたし、立ち見の大人もたくさん。それを見て、私は本当にうれしくなったんです。
    というのは、無理やり押し込んでいった芸術文化が、ちゃんといい方向に作用してるなら、もうそれでいいかって。無理やりっていい言葉ではないんですけど、ある程度共感を得られたという結果が返ってきた。こじあけてでも入っていった芸術文化で地域が活性化できてるって、豊岡演劇祭で実感できたんです。

    2年になると芸術文化と観光に専攻コースが分かれる。
    もちろん「芸術文化コース」で学ぶつもりだ

    やっていることは無駄ではない

    私自身は人を笑顔にさせるために演劇をやっていきたいと思っているのですが、好意的でない方も、好きにならなくてもいいから、やってることを無駄だと思わないでほしいなって。伝え方が大事だと思うんですけど。
    豊岡は今、市が主催するアートプログラムなど、イベントがたくさんあります。私もボランティアスタッフとして参加していますが、豊岡演劇祭のために働いている市の職員もいらっしゃって、すごく頑張っていると思います。

  • 「数学だけじゃなく、英語や起業。学部外でもいっぱいマナベる!」 「数学だけじゃなく、英語や起業。学部外でもいっぱいマナベる!」

    「在学中に私と同じような問題意識と志を持った仲間に出会えたら、
    ぜひ一緒に起業したい」という武部さん(中央)

    私が起業を視野に学び始めたワケ

    関学の魅力は、学部外で学べることがたくさんあること。
    私は理系で、数学が好きで数学科にいるんですけど、数学科にいながら起業家講座が取れるので、秋学期はほぼ全員が受講しました。
    私が起業を視野に入れたのは自分の経験からです。3歳から高2まで英会話に通い、中学校からは文法や受験英語もしっかり学んだのに、なかなか英語をスラスラとしゃべれるようにはならなかった。
    日本の英語教育を何とか改革したい。幼稚園の頃から英語漬けの環境に身を置き、小学校から、英語で算数や理科の授業を行えば、大学生や社会人になって急に求められる英会話力を幼い時から自然に身に付けられる環境を作ることができるのではと、インターナショナルスクールを作ることを考えています。

    夏の一大イベント、オープンキャンパスを終えて仲間たちと

    「マナビたい」意欲に応えてくれる
    システムを発信する喜びも

    ほかにも英語の留学プログラムとか語学系のプログラム、AIのプログラミングとかの科目も、もう好きなだけ取れる。取れる科目の幅がすごく広くて、数学科にいながら物理の科目を履修できたり、最短4年で2つの学位を取得できる制度なども充実していて、本当にいろんなものがマナベて、いろんな資格を取れるんです。なかなか理系から起業とか、特に英語とか、そういうのに重きを置いて学べる大学って意外と少ないと思うんですよね。
    理系の学生向けの留学プログラムで、春休みを利用して10日間、インドネシアに短期留学に行く予定。現地の学生と英語で海洋生物や熱帯植物の研究・観察をする内容なので、生物の専門知識や教養を身に付け、語学力の向上を目指したいと思っています。
    所属する学生団体で月1回ぐらい、近隣の大阪や兵庫の高校生たちが大学に来るミニオープンキャンパスを行い、高校生の前に立って関学の魅力を代表としてしゃべっていますが、大好きな関学の魅力を発信していけるのがすごく楽しいです。

  • 「自治会長に大学祭実行委員、LGBTQの課題解決も。視野狭窄から脱却かな」 「自治会長に大学祭実行委員、LGBTQの課題解決も。視野狭窄から脱却かな」

    やむなく引き受けた大役だったけど……

    大学で2つの委員会に入っています。
    大学祭の方は実行委員会で、芸人などの有名人に出演交渉をしました。熱意のある仲間たちと自主性を発揮して大学祭を作り上げていく楽しさとしんどさを味わいました。
    もっと大変で、やりがいも大きかったのは自治会。自治会長にはいろいろ条件があって、当てはまるのがちょっと僕しかいなかったみたいな感じでやることになり、部活とか団体の統括とかをやらせてもらいました。責任ある立場になったときに、他の人たちをまとめることがすごい大変だなと感じて、12月までの1年間が任期だったんですけど、自分の視野も広がったのかなと思っています。
    小さい頃は好奇心旺盛な方でしたが、年齢が上がっていくにつれて視野がだんだん狭くなり、最近では自分からやることはあまりしない方になっていました。けれども、そういうのに無理やり、というか、ほとんど強制的に関わっていくことで積極的になれたというか、自分に主体性が生まれていって、この1年、活発に動けたかなと思います。

    工大祭当日の屋外ステージ。
    満員の観客席に手応えを感じたと谷口さん
    大学祭の実行委員の谷口さんは仲間たちと会議を重ねた

    ジェンダーの視点でキャンパス内
    「トイレ」問題を考えた

    自治会長だったことでキャンパスの代表として、SOGIいろ(そじいろ)という団体にも関わることになりました。ジェンダーの観点からキャンパス内の「トイレ」の課題を挙げ、改善していこうとの取り組みを始めた学生団体です。
    「多機能トイレを利用する時に特別視される」という意見が出て、どうやったら、無意識の壁をなくしていけるのかっていうのを考えていったりもしました。他の大学さんとも一緒にLGBTQ当事者を招いての談話会やSDGsのイベントに参加したりして、刺激をもらっています。
    大学ではいろんな経験をしてみたいと考えていましたので、こういうふうに体験できてるのはすごくうれしいことだと思っています。

今、住んでいるまちに思うコト 今、住んでいるまちに思うコト

  • 岡島さん

    神戸はロケーションが好き。海も山もすぐ近くで、田舎も近い。写真を趣味とする僕としては、いろんな景色を楽しめるのがいい。文化も多様で、西洋も中華も和もあるのでグルメも楽しめる。ただ、街の目新しさに欠けるというか、東京や大阪のように新しいものが生まれるという要素は少し薄いかな。三宮の再開発が進んでいるので楽しみにしています。

  • 小山さん

    豊岡には「弁当忘れても傘忘れるな」っていう面白い看板があり、折りたたみ傘は必ず持つようになりました。雨が多いのは、本当は困ります。偏頭痛持ちなんで雨が降ると頭が痛くなるんです。でも、人のつながりが温かいところは大好き。田植えのイベントに参加したら、今月はお餅つきイベントに参加できたり。一人の人からどんどん芋ヅル式につながっていく形のつながり方、深いなぁ、好きだなぁと思います。

    友人と竹野海岸を訪れた小山さん

  • 武部さん

    三田市は大阪や西宮、三宮にもすぐに行けるし、コンパクトですごく便利な街。有馬温泉も近い。住めば都で、今ではもう大好きな街になってます。でも、初めての三田の冬は寒すぎて、手袋とマフラーを忘れて12月ごろ少し体調崩しました。実家で作っている岡山の朝日米くらい、美味しいお米がもっとあったらいいのにな。

  • 谷口さん

    姫路は、姫路城を中心に観光地として完成されているところが好き。城下町としていろんなところが整備されて、商店街が活性化していたり、盛んになっているところがいいなと思います。住むには十分で、自然も豊かでいいんですけれど、アクティビティ施設がだいぶ少なくて、学生が楽しめるようなところは少ないかなって思うので、今後に期待しています。