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Interview
go to Future
好きが詰まった土地で、
暮らし働くこと。
ひょうごビジョン:自分らしく生きられる社会
漫画家
ひうら さとるさん
大阪府出身。兵庫県・豊岡市城崎町在住。ドラマ化された『ホタルノヒカリ』『聖ラブサバイバーズ』『西園寺さんは家事をしない』をはじめ、数々の漫画を発表。連載を抱えながら「一般社団法人 豊岡アートアクション」の理事も務める。
暮らしを変えることは、生き方を選び直すこと
2011年に東京から豊岡市に移住された漫画家・ひうらさとるさん。東日本大震災の直後、まだライフラインが不安定な東京から、パートナーの実家のある豊岡市への一時帰省がきっかけです。当時ひうらさんは、育休からの復帰中、デジタルで漫画を描きはじめた時期だったそうです。
「最初は神鍋高原の方で暮らしていました。近くで採れた野菜のおいしさなど、都会では気づけなかった田舎での感覚がいちいち新鮮で、私も、まだ保育園児だった子どもも気に入っていました」。また、タブレットで漫画原稿制作ができるようになってきた時期であったことも、移住への後押しに。2015年には、パートナーが城崎国際アートセンターの館長に就任したことを機に拠点を城崎温泉へ。「歩いてお酒が飲みにいけて、毎日温泉に入ることができるまち。最高だなと( 笑)」と語ります。現在は、花街の「検番(芸妓の稽古場、待機場)」だった建物をリノベーションした、自宅兼アトリエで暮らしています。
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人を招くことも多いという自宅兼アトリエ。「いろいろな縁があって。城崎だからこそ出会えた住まいです」と朗らかに語ります。
人との会話から、作品のストーリーが生まれるというひうらさん。多くの人が訪れる観光地・城崎温泉で暮らす中、影響を受けることもしばしば。「人の出入りが多いので風通しがいいですね。おおらかでとても住みやすいです。国内外から訪れるアーティストも、ママ友も、一緒に温泉に入って、はだかの上で平等というか。かっこつける感じがなく、リラックスして語れるのがおもしろい」。また、「城崎の人は、皆さん土地に誇りを持たれていて、まちの良いところを褒めると、『でしょ?』って」。そんなまちの人の人柄や、都会とは異なるコミュニケーションの形が刺激的だと話します。
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城崎温泉の特徴でもあるたくさんの外湯。「家の浴槽には入らずに、毎日のように外湯に通っています。まちが我が家のお風呂です(笑)」。
子どもを持たれてから仕事のスタイルが変わり、18時30分には仕事を終えるようにしているというひうらさん。特に城崎温泉に来てからは、入浴が大切なルーティーンに。「子どもができるまでは、ノルマを仕上げるまで寝ないという感じでした。今は夕方には仕事を止めて、温泉に行って、ご飯を食べて…。1日に終わりがある。お湯に浸かったらリセット!毎日リフレッシュできています」。夕方まで漫画の原稿を描き、関東のアシスタントとデータを共有、翌朝には完成原稿がアップされるといいます。「地方にいるデメリットは感じないですね」。」。
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「原稿作業はタブレットで完結するんです」とひうらさん。アナログと変わらないクオリティで漫画が描ける環境が作れたことが城崎での生活の基礎だといいます。
続けられるのは、自分に合っているから
「演劇のまち」としても知られる豊岡では、演劇創作活動を支援する「一般社団法人 豊岡アートアクション」が設置されており、ひうらさんも理事の一人です。観光や教育、発達障害児の発達支援など、活動は多岐にわたります。「自分が楽しむだけじゃなく、お世話になっているまちの文化を継承していきたいです。住み始めて10年、そろそろまちのためになることをやりたいと思っています」と語ります。
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城崎のまちに馴染み、溶け込んでいるひうらさん。道を行く後ろ姿からも移住者であることは感じられません。
数ある作品の中で、ご自身に近いキャラクターを伺うと、「『ホタルノヒカリ』の主人公・蛍ですかね。世の中を舐めている感じとか(笑)」。その上で、「やりたくないことをどんどん排除して、これは得意かも?人に得意だねって言われることをやってみた方が、夢や好きなことを見つけるより早い!」と話します。また、「兵庫県はすごく広く、豊かな土地がいっぱいあるので、都会に出なくても、自分の続けられることをするのが、これからの時代に合っていると思います」と、城崎温泉の住人としての誇りをにじませました。