HYOGO VISION 2050 ひょうごの未来を支える活動とその想い 〜ビジョンを体現する団体の取組み〜

投稿日2025.2.14

Interview

go to Future

HYOGO VISION 2050

ひょうごの未来を支える

活動とその想い

〜ビジョンを体現する団体の取組み〜

“帰りたくなる”地元を目指す

ローカル音楽フェスティバル

ひょうごビジョン:新しいことに挑戦できる社会〜わきあがる挑戦〜

 

YACHIYO つながる FESTIVAL 実行委員会〈多可郡多可町〉

多可郡多可町・八千代地区の出身で、地元で会社員をしている門脇司さんが主催する地域密着型音楽フェスティバル「YACHIYO つながる FESTIVAL」。2016年に第1回目が開催され、これまで通算5回実施されてきた春のイベントです。フェスティバルの名に掲げた「つながる」という言葉には、人と地域のつながりだけでなく、未来へとまちをつないでいきたいという想いも込められています。

自らの経験を活かした

地域貢献を目指して

門脇さんは、多可郡多可町の八千代地区で生まれ育ちました。いつしか音楽に惹かれ、20代では自身のバンドで全国ツアーを回るほど本格的な音楽活動の日々を送るように。そんな時期を経て、門脇さんは地元で就職。今では生まれた多可町で家族を持ち、会社員として、パパとして暮らしています。地元での音楽フェスティバルの開催を思い立ったのは「田舎で暮らす子どもたちや若い子たちを見ていて、もっと前に出られるような機会を提供したい。僕がバンド活動で得た経験で地域を盛り上げたい」との考えからでした。「当時はフェス自体が今ほど浸透していませんでしたし、もちろん、多可町で暮らす人にはそんな概念すらありませんでした(笑)。ですが、いろいろな仲間や地域の人に話をしていると、意外と反応が良かったんです。いっちょやったろか!という思いになりましたね」。フェスティバルのコンセプトは“子どもたちが自転車で遊びに行けるフェス”です。「まちにはあまり遊びに行くところもなく、かといって都会に出るのも大変です。子どもたちが気軽に楽しめる時間や場所を作りたいという思いもありました」。

地域の賛同と協力を得て誕生した

唯一無二の手作りフェス

「やると決めたらすぐに動くタイプなので、スピード感はものすごくありましたね」と門脇さん。それでも八千代では初めての音楽フェスティバルです。計画・準備には1年以上を費やしたとのこと。「場所についてはいろんなところを当たりましたが、屋外では条件的に難しいところもあり、最終的にはまちの複合施設でもある八千代コミュティプラザでの開催になりました。施設の局長に話をしたところ、ぜひやってほしいという言葉をいただけて感謝しています。スタッフは基本的にはボランティアなので、初回はスタッフの確保に難航しましたね。今でも大きな課題ですが、回数を重ねると高校生など、手伝ってくれる人も増えてきました」。フェスティバルに出演するのはバンドばかりではなく、地元の吹奏楽部やダンスチームなども。ジャンルや年齢層も様々です。「つながるフェスは他の音楽フェスとは一線を画していると自負しています。多様な地元の人たちに参加してもらい、人と地域がつながって、また新しいつながりに発展させていきたいという気持ちを、フェスのネーミングに込めています。そのまんまですが(笑)」。ライブだけではなく、地元有志による出店ブースもユニークなラインアップです。「会場では地域のお店や団体による出店もあるのですが、フードのほかに、整体や占いまで!出店する人もやる気に満ちあふれているんです。本当に周りの人がみんな手伝ってくれていて、公民館単位のエリア規模ですが、地域で暮らしている人たちで作っているフェスです」。

周りの声がパワーに!

コロナ禍以降の初開催

初開催の地元フェスティバルに対して、地域の反応は上々で、予想を上回るおおよそ300人もの人が訪れました。出演者からは「また出たい」、地域の人からも「またやってほしい」という声も。「特に子どもたちからの楽しかったという声が多くてうれしかったですね」と門脇さん。さらに動員を増やしながら回を重ねていくのですが、2020年のコロナ禍では中止を余儀なくされました。「毎年4月に開催していたので、直前の中止となりました。そこから自分のバンド活動も休止し、モチベーションやパワーがダウンしてしまったので、正直なところ2024年の開催を決めるまで、とても腰が重かったですね…」。しかし、今までフェスに参加していた裏方のスタッフや地域から「もう一回やろうや」「ぜひやってほしい」という声があり、再開を決意されたそう。「つながるフェスは、自分よりも先に周りの人から今年もやろうと言ってもらえるイベントで、今回こそ本当にその声に突き上げられた感じでしたね。それが良かったと思います」。5年ぶりの「YACHIYO つながる FESTIVAL 2024」は約1000人に及ぶ動員で、過去一番の盛り上がりを見せました。

フェスをまちの魅力の一つに

思い描く理想のカタチ

地域で新しいことにチャレンジすることについて、「僕の場合はめちゃめちゃ恵まれています。わがままを聞いてくれる人が周りにたくさんいますので(笑)。でも、兵庫県民は基本的に人が温かいと思います。多可町以外の地域を見てもそう感じることがあるので、誇らしい部分ですね。周りの人とのつながりやサポートを大切に、やりたいと思っていることはやり続けること。いつか自分のふるさとに貢献できることもあるので。あとは動くだけです」。門脇さんは、コロナ禍を経て復活開催した「YACHIYO つながる FESTIVAL」に込めたさらなる思いを教えてくれました。「出演者には、出演することがステータスになるような、このフェスに向けて一年間頑張ろう!と思ってもらえるような、そういったイベントにしたいですね。また、八千代ならではの出店も増やして、まちの魅力を外に発信していけたらいいなとも思っています」。続けて、「八千代は本当に過疎が進んでいる地域です。将来的には、このフェスを若い子に引き継いでほしい。このフェスがあることが、八千代に帰ってくる、戻ってくるきっかけの一つになるような、そんなイベントになってほしいですね。今、暮らしている人同士の繋がりもさらにギュッと強くしたいです」。地域の人と人をつなげ、まちを未来へとつないでいく、ローカルフェスだからこその理想のあり方を教えてくれました。

 

YACHIYO つながる FESTIVAL実行委員会×ひょうごの可能性

自分一人ではなく、周りの力と共に

 

(keyword)

・やりたいという思いを最優先

・まずはすぐできることから行動を

・ずっと続けていくイメージを

MORE POST